CURATION
2025/02/21
路面店の賃料、銀座が5四半期ぶりに上昇 天神は最高値
インバウンド(訪日外国人)の旺盛な消費を背景に、都市部の路面店賃料が上昇している。不動産市場の調査によると、2024年10〜12月期の平均賃料は、東京都内の銀座で5四半期ぶりに上昇したほか、福岡市の天神エリアでは最高値を更新した。
調査では、銀座、渋谷、表参道・原宿、栄(名古屋市)、心斎橋(大阪市)などの路面店物件を対象に、想定成約賃料を調査した。
その結果、最も上昇したのは銀座で、1坪(約3.3平方メートル)あたり28万円となり、前四半期比6.5%の上昇を記録した。中央通りや並木通りでの賃料上昇が寄与している。
東京以外では、福岡市の天神エリアの上昇が目立ち、銀座に次ぐ6%上昇の1坪あたり6万1,800円となり、最高値を更新した。
福岡市の中心部では、大型複合施設などの建設が相次ぎ、再開発の効果もあり、高級ブランドやスポーツブランドの路面店出店が増加している。
調査によると、プライム賃料(各エリアで最も高い想定成約賃料)は、銀座、表参道・原宿、天神の3エリアで調査開始以来の最高値を記録した。
空室が減少し、既存テナントの契約満了前に次のテナントが決まるケースが増えている。
調査チームは、「10〜12月期の上昇幅が大きかったため、今後賃料の上昇スピードは鈍化する可能性があるが、下落することはない」と述べた。
さらに、福岡市の再開発「天神ビッグバン」の一環として、西日本鉄道は1月17日、「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」の竣工式を開催した。
同ビルは地上19階・地下4階建て、延べ床面積約14万7,000平方メートルの大型複合施設で、4月24日に開業予定。
1〜3階にはフランスの高級ブランド「シャネル」の国内最大級の直営店が入るほか、4階には蔦屋書店とシェアラウンジ、5階には大型レストラン「天神福食堂」がオープンする。
また、オフィスフロア(8〜17階)は1フロア約4,600平方メートルで、西日本の賃貸オフィスビルでは最大規模となる。賃料は1坪あたり3万2,000円で、入居率は6割程度。最上階(18〜19階)には「ワンフクオカホテル」が開業予定だ。
福岡市は国内外のブランドや企業が集まり、賑わいを創出することで、都市のさらなる成長が期待される。