CURATION
2025/03/17
不動産営業マンと不動産エージェントとブローカーの違い
不動産エージェントをやっていると、普通の会社の営業マンとどう違うの?
もしくは、「不動産エージェントってブローカーみたいなもんでしょ?」と悪意を持って聞いてくる方もいます。
曲がりなりにも6年間不動産エージェント会社を経営し、海外の不動産エージェントとも交流が多少なりともある私の見解を述べさせていただきます。
まずアメリカでは、不動産仲介の実務をする営業マンをエージェント、エージェントを束ねる立場の人や会社をブローカーと呼びます。
エージェントは不動産取引の仲介業務を行いますが、必ずブローカーに所属する必要があり、独立して業務を行うことはできません。
一方、ブローカーは自ら取引を行うだけでなく、自分の会社(ブローカーオフィス)を設立し、エージェントを雇うことが可能です。
日本では、アメリカの「エージェント」型の働き方を参考に、雇用されずに不動産仲介を行うプレイヤーを「不動産エージェント」と呼ぶようになりました。そのため、「不動産エージェント」と「ブローカー」は異なるものです。
ただし、日本では「宅地建物取引業法」により、不動産エージェントが業務を行うには、宅建業者(会社)に所属するか、個人で宅建業の免許を取得する必要があるため、アメリカの制度とは完全には一致しません。
また、日本で「ブローカー」と言うと、無免許で不動産取引に関わる「無免許ブローカー」を指す場合が多く、正式な不動産業者を指す言葉ではありません。無免許ブローカーとは、取引を行う立場にないにもかかわらず、不正に不動産取引を仲介する人物のことを指します。
免許を持っていない為、不動産の契約書や重要事項説明書にはどこにも名前が載ってきませんので、トラブルがあっても責任を取ることが難しい立場にあります。
なお、「宅建士の資格を持たないこと」と「無免許ブローカー」は異なる概念です。日本では、宅建士資格を持っていなくても、宅建業者(会社)に所属していれば不動産取引に携わることが可能です。
一方、アメリカでは、不動産取引を行うためには資格を取得した上で、必ずブローカーオフィスに所属しなければなりません。
つまり、「エージェント」とは、日本でいう不動産仲介営業マンにあたり、アメリカ式の「雇用されない働き方」を選択したプレイヤーのことを指します。