CURATION
2020/04/06
不動産業の独立開業に必要な供託金とは?
不動産業を始めるためにどのくらいの自己資金を用意すれば良いのかと考えて調べてみると、供託金を用意しなければならないのに気づくでしょう。
供託金は不動産仲介業を営むために必要なものですが、どのようなお金なのでしょうか。供託金の意味と仕組みを理解して、独立開業のための準備を整えましょう。
そもそも供託とは何か
供託金とは何かがわかるようになるためには供託とはどんな行為かを理解する必要があります。供託は文脈によっていくつかの意味がありますが、不動産業を始めるときには供託所にお金を預けることを供託と言います。
その預けるお金のことを供託金と言うのです。供託金を預けるのは不動産業で売買や賃貸の代理、媒介などの仕事をするときに義務付けられていることで、宅建業法で明確に定められています。供託金を出さずに事業を行ってしまうと処罰されることになりかねないので注意が必要です。
供託金を預ける目的とは
不動産業を始めるときに供託所にお金を預けることが義務付けられているのはなぜなのでしょうか。もともと不動産業は他の業種に比べて法律による規制が多いのが特徴で、その大半はサービスの利用者を守るために定められています。
消費者が不当な対応をされてしまうことによって、生活の基盤として欠かせない不動産について不利益を被ってしまわないようにしているのです。不動産の仲介をしてもらったときに不利益なことがあった場合には不動産業者が損害賠償をしなければならなくなるでしょう。そのときに賠償請求された金額が大きく、とても払えるような金額ではないということもあります。
しかし、きちんと払ってくれないと消費者が苦しむことになってしまいます。このような問題が発生したときにもきちんと損害を補償できるように預けておくお金が供託金です。トラブルの際に供託所からお金を出して弁済をするという形になっています。
典型的なトラブルを知っておこう
仲介業をしているときにどんなトラブルによって消費者が不利益を感じ、損害賠償を求めるようなことになり得るのかを具体的に知っておきましょう。
典型例としてよく知られているのが売買の仲介をしたときに、買い手の手に渡った物件に瑕疵があったというケースです。
瑕疵があったのが原因で大怪我をしてしまったから治療費と損害賠償を請求するといった流れになり、巨額の請求を突きつけられてしまうことがあります。このようなときにも供託金を預けてあるので賠償金の支払いができるということになるのです。
供託のやり方には二種類ある
供託のやり方は営業保証金、弁済業務保証金の二種類から選ぶことが可能です。
どちらも独立起業をするときに供託金を負担することになりますが、供託の仕組みが異なっているので詳しく理解しておきましょう。営業保証金は不動産業者が独立するときに供託金を供託所に預ける典型的なもので、何かトラブルがあったときにはその中からお金を出してもらうことになります。それに対して弁済業務保証金の場合には保証協会に対して供託をするのが特徴です。
保証協会では多くの不動産業者から少しずつお金を集めていて、何かトラブルがあったときにまとまったお金を出せるようにしています。もしA社、B社、C社からお金を集めていて、B社を利用した消費者への弁済が必要になったというときには、B社だけでなくA社とC社が供出していたお金も使って弁済するという形になります。
このような分担金を加盟者が支払うという仕組みにすることで独立起業のときに出さなければならない供託金が少なくて済むのが魅力です。
供託金はどのくらい必要なのか
供託金をどのくらい用意しなければならないかは営業保証金と弁済業務保証金のどちらを選んだかによって異なります。営業保証金の場合には事業の本拠地になる事務所については1000万円、支店などの事務所については一つごとに500万円を供託金として預けることが必要です。
一方、弁済業務保証金の場合には拠点の事務所については60万円、それ以外の事務所は30万円と定められているので、営業保証金に比べるとかなり少ない金額で済みます。ただ、気をつけておく必要があるのが支払い方法の選択肢が異なることです。弁済業務保証金の場合には現金のみしか受け付けてもらえませんが、営業保証金なら有価証券を使うこともできます。
特に独立起業のときよりも有価証券を使いやすくなって事務所を増やしたいというようなと気にはメリットになる点です。将来的に事務所を増やしていきたいと考えている場合には営業保証金を選ぶことも検討した方が良いでしょう。
まとめ
不動産業で独立起業するときには供託金を用意することが求められます。供託金とは不動産の仲介をした結果として消費者が不利益を被ってしまい、賠償をしなければならなくなったときのために預けておくお金です。
消費者が居所も失って補償も受けられないといった厳しい状況に置かれてしまわないようにするために供託をすることが法律で定められています。営業保証金を選ぶと巨額の費用が必要になりますが、弁済業務保証金にすれば少額の供託金で済みます。
長期的に見ると営業保証金を選ぶメリットもあるので、どちらのやり方で供託するかはよく考えて決めるようにしましょう。
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